映画「ウインド・リバー」 - あいの日々徒然

2019年1月 5日

映画「ウインド・リバー」

2018年12月26日(水)、映画「ウインド・リバー」のDVDをレンタルしてみました。
第70回カンヌ国際映画祭〈ある視点部門〉監督賞受賞!!の文字に惹かれました。
アメリカの辺境を舞台に現代社会が抱える問題や現実をあぶりだした
「ボーダーライン」「最後の追跡」で、2年連続アカデミー賞に
ノミネートされた脚本家テイラー・シェリダンが、
前2作に続いて辺境の地で起こる事件を描いた
自らのオリジナル脚本をもとに初メガホンをとったクライムサスペンス。
主演は「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナーと、
「アベンジャーズ」シリーズのエリザベス・オルセン。
映画の内容は、
ネイティブアメリカンが追いやられたワイオミング州の雪深い土地、
ウィンド・リバーで、女性の遺体が発見された。
FBIの新人捜査官ジェーン・バナーが現地に派遣されるが、
不安定な気候や慣れない雪山に捜査は難航。
遺体の第一発見者である地元のベテランハンター、
コリー・ランバートに協力を求め、共に事件の真相を追うが......。
映画「ウインド・リバー」

この映画の興味深い点は、
アメリカの問題点でもあるネイティブアメリカンへの差別を描いてること。
そのことを知っている方が映画をより分かりやすくします。
ヨーロッパから大挙して押しかけてきた(主に)白人が
先住民族を狭い地域に追いやり、
Indian reservation(インディアン・リザベーション)と
名付けた地域に閉じ込めた、
そのひとつ、ウィンド・リバーが舞台です。
最後の結末も印象深い。
映画の興味深い点
あるホームページにあった池上彰さんおの映画解説を紹介します。

ウインド・リバー』日本公開を記念して一般試写会の上映後、
ジャーナリストの池上彰が登壇。
知られざるアメリカの闇に切り込むトークイベントが行われた。

上映後のトークということもありネタバレ OK を確認しつつ
「娘を失った父親同士の交流、悲しみが通底にあって、
サスペンスではあるんですけど人間ドラマとして描かれ進んでいく。
その中で、さらにネイティブアメリカンの先住民が
どのような立場に置かれているのかという、
じつはアメリカ国内でも知らない人が多くいる
事実や色々な背景を知ってもらおうという
よくできた映画だと思いました。」

アメリカの地図パネルをもとに
ワイオミング州のウインド・リバーという土地について解説。

「元々は肥沃な違う土地で生活をしていたのに、
農業に適している土地は白人が占領してしまった。
こういったネイティブアメリカンの保留地は
じつは約 100 か所あります。
アメリカだけでなくカナダにもある。
オーストラリアにはアボリジニという先住民がいました。
この映画に登場したあの一族は、荒廃したウインド・リバー
という土地に押し込められただけなんです。
アメリカの国旗が逆さになっていたシーンがありましたが
あれは保留地に住む人々の敵意の現れなんです。」

数多くこのような事件が起きているにも関わらず
失踪者、死亡者数の人数が未だ分かっていない、
<ガンで死亡するよりも殺人での死亡率が高い場所である>
という知られざる驚愕の事実に対し、
なぜこういったことが起きているのか疑問を投げかけると、
事件として扱われなければ調査すらされないという実態、
アメリカの自治体警察の制度につ いても話が及び、
場内では驚きの声が上がった。

現代のネイティブアメリカン保留地に
追いやられた人々の生活について、
農業をすることもままならない彼らには
「カジノ営業権」が認められ収入源になっていることにも触れ、
この方法が結果として楽をして収入を得る怠惰な生活に繋がり、
生きがいを失い、やがて薬や酒に走り
麻薬中毒や犯罪率の増加を招くきっかけとなり
負のスパイラルとなっている点も指摘。

「現代のアメリカの闇を見つめ切り込んだテーマを
扱った映画が作られるようになったことは革命的」とも語る。

「昔の西部劇では、保安官が登場し
〝インディアンは悪いやつ"として戦う一方的なものでした。
私が大学生の時に『ソルジャー・ブルー』(1970)
という映画が公開され、それは当時画期的だったんです。
〝ソルジャー・ブルー=騎兵隊"が先住民を虐殺する。
後から入ってきた者たちがこのように虐殺をしてきた、
ということにようやく目が向いたんです。
ネイティブアメリカンの置かれている現状、問題を取り上げたこと。
今またこういう形で人々の意識が変わってきたんだ、
と見ています。」トランプ政権に代わり問題となっている、
ゼロ寛容政策やメキシコへの制裁についても触れ、
テイラー・シェリダン監督がアメリカ・メキシコ国境で
起きている麻薬戦争を描いた『ボーダーライン』に続き、
『ウインド・リバー』の題材として取り上げたことが興味深く、
その作家性について「エンターテイメント、
人間ドラマ、親子の情感、現代的な若い女性の成長物語、
緻密でよくできている脚本の中にアメリカの闇が浮き出てみえてくる。
もう一度観るとさらに気付くところがあり、
メッセージが詰まっている映画」と熱く語り、
トークイベントを締めくくった。

アメリカの闇を知る為の映画です。

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