油長酒造 鷹長菩提もと純米酒 - あいの日々徒然

2020年11月 9日

油長酒造 鷹長菩提もと純米酒

11月2日(月)、奈良県油長酒造さんの
鷹長菩提もと純米酒を晩酌で飲みました。
油長酒造さんは、1719年(享保4年)創業。
奈良県と大阪府の境に位置する葛城山・金剛山の稜線が
望める場所にある。社名からも推察できるように、
もともとは慶長年間より製油業を営んでいた酒蔵である。
1719年に酒造業に転じ、以来300年以上、日本清酒発祥の地
ともいわれる奈良で酒造りを続けています。
鷹長菩提もと純米酒

鷹長菩提もと純米酒
原料米:ヒノヒカリ100%
精米歩合:70%
日本酒度:-30
酸度:3.6
アミノ酸度:2.6
アルコール分:17度
仕込み水:金剛葛城山系深層地下水
硬度:250mg/L硬水

室町の時代(1400年代)より造られていた「奈良酒」が
全盛期を迎えたのは戦国時代のこと。
奈良の菩提山正暦寺で生まれた「菩提酛」という
技法によって、安全な酒母づくりができるようになり、
奈良の寺院醸造が現在の清酒造りの基本となる技術を整えました。
菩提酛造りが清酒造りの起源、
正暦寺が清酒発祥の地と言われる所以です。
かの織田信長もその品質の高さを賞賛したと記録されています。
その後酒造りが各地で多様化してゆく中で、
山廃酛や速醸酛の発展とともに少しずつ忘れ去られて
いったこの伝統的な技法が、1999年より奈良県の
蔵元の有志によって日本清酒発祥の地、正暦寺に蘇りました。
今では「鷹長」のラインナップとして、
「奈良酒」の伝統と技を人々に伝えています。
菩提酛造りの全盛期であった永享期から
嘉吉期(1429年〜1441年)に原本が成立されたとされる
「御酒之日記」(左文献)にある、その内容を以下要約。
菩提泉、白米1斗を水が澄むまでよく洗う。
そのうちの1升を取って「おたい」(蒸米)に炊く。
夏ならば蒸米は冷やさなければならない。
次にその蒸米を笊に入れて冷まし、残りの白米が浸けて
ある中に埋める。甕の口を包んで一夜放置する
(このようにすると必要な養分が溶出し、菌が繁殖しやすくなる)。
三日目に別の桶を傍らに置き、乳酸酸性になった浸け
甕の上澄液を汲み出し、ついで、浸し米の中に埋めておいた
蒸米を取り出し、別にしておく。次に、浸け米九升を取り上げて
十分に蒸す。夏の季節には、蒸米は特に十分に冷ます。
米麹五升のうちの一升を先ほど別にしておいた蒸米と混ぜ合わせ、
その半分を桶の底に敷くように入れる。
なお、四升の米麹は蒸米(九升分)と混ぜ合わせて仕込む。
この際、前もって汲んでおいた水を一斗ほど計って上から汲み入れる。
さらに、さきほどの蒸米一升と米麹一升を混ぜ合わせた残り半分を、
もろみの上に拡げるように置く。これで仕込みが終わったので、
甕の口を で包んでおく。こうして七日もおくと酒ができる。
なお、すぐに酒を必要としない時は、
そのまま十日間くらいはおいてもよい。
「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」ではこの文献を参考に、
菩提酛の科学的解明をおこない、奈良、正暦寺において
創醸された室町中期の菩提もと造りの復活。
さらに、菩提酛の製造技術を正暦寺(酒母製造免許取得)に
技術移転し、その独自の製法を後世に継承している。
日本酒度:-30

梅酒のように甘くコクがあり、
それでいて切れ味が良く、食前酒に合います。
女性受けが良いようで、妻が気に入りました。

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